カジノを含めどんなギャンブルをするにあたっても、必ず知っておく必要があるのがこの「還元率(かんげんりつ)」と「控除率(こうじょりつ)」。還元率は別名「RTP」「ペイアウト率」と呼ばれ、控除率の方は「ハウスエッジ」と呼ばれたりもします。
初心者のプレイヤーからすると、どちらも聞きなれない単語で、難しい専門用語のように思えるかもしれませんが、その概要は至ってシンプルなので心配する必要はありません。還元率・控除率のコンセプトを理解するだけで、ギャンブルの面白味がより深く体感できる上、ゲームを攻略する大きな手助けになってくれます。
この記事では、還元率と控除率の詳しい解説と、それらの数字がギャンブルでどのように使われ役に立つのか紹介していきます。
🎲 ギャンブルの還元率と控除率 もくじ 🎲
- 還元率」や「控除率」っていったい何?~ギャンブルの隠された仕組み~
- 控除率(ハウスエッジ)とは?
- 還元率(ペイアウト率、RTP)とは?
- ギャンブル別で還元率・控除率を比較
- カジノゲーム別で還元率・控除率を比較
- カジノゲームの還元率・控除率を確かめる方法
- まとめ
🔰「還元率」や「控除率」っていったい何?
◍ ギャンブルの隠された仕組み
まず、パチンコで当たりを引く確率と、宝くじで当選する確率を比べると分かるように、ギャンブルには「勝ちやすいゲーム」と「負けやすいゲーム」が存在します。そして、勝ちやすいゲームの場合はその分報酬が少なく、逆に負けやすいゲームの場合はその分報酬が高い、“ローリスク・ローリターン”、“ハイリスク・ハイリターン”の原理でギャンブルは出来ています。
ただ、これはある意味“見た目”の話で、実際にはその原理に“見させている”と言った方が正確な表現です。ギャンブルは基本、ハウス側(運営側)が利益を得れるように、必ずプレイヤーが不利になるようなシステムで出来ています。
もし、プレイヤーが10分の1で勝つ確率のゲームをした場合に、勝利金が賭け金の10倍だと、10回同じ額を賭けてプレイすれば、費やした金額と同額が手元に入ってくることになります。つまり、結果はプラスマイナス“0”。もちろんこれは極論なので、実際にはこれほど確率通りに勝ち負けが決まることはありませんが、数字上ではハウス側もプレイヤー側も、利益もなければ損失もない状態になります。
しかし、これだとハウス側は運営ができないので、上記のような勝率10分の1のゲームには、“勝利金を賭け金の8倍にする”など、ゲームのバランスを崩すことでビジネスを成り立たせているわけです。
そして、まさにこのバランスの偏りを表すのが「還元率」と「控除率」なのです。
💰 そもそもギャンブルで稼げるの? 💰
元々プレイヤーが不利になるようにギャンブルは作られているとなると、いくらビジネスだと言ってもなんだか不公平なシステムに聞こえます。また、そもそもギャンブルで稼ぐことは可能なのかと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
もちろん、ギャンブルの種類によっては宝くじなど、ほぼ負けるのが当たり前の様なゲームもありますが、特にカジノゲームなどには稼げるチャンスが必ずあります。
🌊 ギャンブルには必ず勝ちやすい“波”がある
ギャンブルで稼げる可能性がある理由は、基本的に必ず儲かるプレイヤーがでるように出来ていることです。
オンラインカジノのスロットや、パチンコの例を見てみるとわかりますが、これらのマシーンにはランダムでアウトプットが決まる※RNG(乱数発生装置)と呼ばれるアルゴリズムが組みこまれています。このアルゴリズムは、設定されたバランスの結果(還元率・控除率)を“長期的なスパン”で達成するようになっており、短期的なスパンでは必ずムラが出るようにランダム化されています。
このアルゴリズムの性質上、必ず“勝ちやすい波”や“負けやすい波”というものが出るようになっており、そのタイミングを上手くつかめるギャンブラーであれば、損失を極力抑え、利益が出るチャンスをモノにすることで稼ぐことが可能になります。
つまり、闇雲にプレイしていれば稼ぐことは難しいですが、それぞれのギャンブルを上手く攻略すれば稼ぐチャンスは必ずあるということです。
※パチスロでも、オンラインカジノでも、ライセンスを取得している正規の運営であれば、イカサマ等が組み込まれた不正なプラグラムは絶対に使われていません。国の機関などから定期的に審査をされている上、使われているすべてのRNGが公に公開されています。
◍ 控除率(ハウスエッジ)とは?
控除率(こうじょりつ)は別名「ハウスエッジ」と呼び、簡単に言うと「ハウス側(運営側)が見込める利益」を表した数字です。この控除率が高ければ高いほど、ハウス側にとって有利なギャンブルになり、逆に低いほどプレイヤーが有利なギャンブルになります。
具体的に説明すると、控除率「0%」は、確率的にハウス側とプレイヤー側共に利益も損失も発生しない“完全フェア”な関係性を表します。もし控除率が「20%」の場合、プレイヤーが賭けた金額の20%が確率上ハウス側の利益となり、プレイヤーはその分損失が見込まれます。
つまり、控除率が低ければ低いほど(0%に近いほど)プレイヤーにとってはお得なギャンブルであるという事です。
❓ 控除率が0%以下のギャンブルはないの❓
控除率が0%以下になるということは、ハウス側が利益を得られない所か損失をするということなので、基本そのようなギャンブルはありません。ただ、下記で詳しく説明しますが、ブラックジャック、クラップスなどのカジノゲーム、またオンラインカジノで人気のジャックポットスロットなどには、攻略法や時と場合によって控除率がほぼ0%になったり、瞬間的にそれ以下になる等、特別な例がいくつかあります。
◍ 還元率(ペイアウト率、RTP)とは?
還元率は別名「ペイアウト率」や「RTP(Return To Player)」と呼ばれ、控除率と同様にそのギャンブルがどれだけハウス側に偏って作られているかを確認する数字ですが、視点が逆で「プレイヤーが見込める利益」を表しています。つまり、還元率は高ければ高いほどプレイヤーが有利、低ければ低いほどハウス側が有利なギャンブルということになります。
還元率「100%」の場合、「プレイヤーが賭けた金額の100%が手元に入る」という意味なので、利益と損失プラスマイナス“ゼロ”、つまり控除率0%と全く同じことを表します。控除率は低い方がプレイヤー有利だったのに対し、還元率は高ければ高いほど(100%に近いほど)プレイヤーが有利になります。
反比例して2つを足すと100%
控除率が20%だと還元率は80%、控除率が50%だと還元率は50%・・・と見てわかるように、二つは反比例すると同時に、足すと必ず100%になるように出来ています。
控除率 | 関係性 | 還元率 |
---|---|---|
0% | = | 100% |
20% | = | 80% |
50% | = | 50% |
100% | = | 0% |
0% | ≠ | 0% |
100% | ≠ | 100% |
とにかく、控除率が0%に近ければ近い程お得なゲーム、還元率の場合は100%に近ければ近い程お得なゲーム、ということを覚えておきましょう。
🔰 ギャンブル別で還元率・控除率を比較
ギャンブル名 | 還元率 | 控除率 | 1万円ベットの払戻金 |
---|---|---|---|
🥇1位 オンラインカジノ | 93~98% | 2~7% | 9,300円~9,800円 |
🥈2位 ※カジノ(店舗型) | 93~98% | 2~7% | 9,300円~9,800円 |
🥉3位 麻雀 | 85~90% | 10~15% | 8,500円~9,000円 |
4位 パチンコ・パチスロ | 80~85% | 15~20% | 8,000円~8,500円 |
5位 競馬 | 70~80% | 20~30% | 7,000円~8,000円 |
6位 競輪 | 75% | 25% | 7,500円 |
7位 ボートレース(競艇) | 74.8% | 25.2% | 7,480円 |
8位 オートレース | 73.5% | 26.5% | 7,350円 |
9位 宝くじ | 45.7% | 44.3% | 4,570円 |
◍ オンラインカジノとカジノが最も稼げるギャンブル
上の表を見れば一目瞭然ですが、オンラインカジノとカジノが最も還元率が高い(控除率が低い)ギャンブルです。2016年末に日本でもカジノ合法化が決定し、今後ランドカジノ(店舗型カジノ)の利用が日本でも可能になると、これまで人気であったパチンコ、競馬、競輪などから客が離れていくかもしれません。
また、近年オンラインカジノが日本でも人気を集めていますが、通常のランドカジノよりも、より還元率が高く設定されていることで有名です。これは、オンランカジノの性質上、実店舗がなく経費を節約できるためとされています。
🔰 カジノゲーム別で還元率・控除率を比較
オンラインカジノが最も稼ぎやすいギャンブルだと言うことが分かりましたが、カジノと言ってもそのゲームの種類は膨大にあります。そこで、各カジノゲームの還元率と控除率を比較して、どれが一番優秀なのかを分析してみましょう。
カジノゲーム | 還元率 | 控除率 |
---|---|---|
ブラックジャック ベーシックストラテジーで攻略 | 99.4~99.7% | 0.3~0.6% |
クラップス パス・カム、ドント、オッズベット | 98.59~100% | 0~1.41% |
バカラ バンカー/プレイヤー | 98.94/98.76% | 1.06%/1.24% |
ビデオポーカー | 95.0~99.9% | 0.1~5.0% |
スロット | 95.0~99.0% | 1.0~5.0% |
ルーレット アメリカンで0と00 / ヨーロピアンで0 | 94.74%/97.3% | 5.26%/2.7% |
キノ | 71% | 29% |
◍ ブラックジャック、クラップス、バカラはお得
定番のテーブルゲームである、ブラックジャック、クラップス、バカラは非常に優秀なゲームです。還元率を見てみても、全て98%以上(控除率:2%以下)。オンラインカジノでは、生中継で実際のディーラーとプレイできる「ライブカジノ」などで特に、これらのゲームは人気を集めています。
🃏 ブラックジャック 🃏
ブラックジャックの場合、「ベーシックストラテジー」と呼ばれる攻略法を使うことで、何もしない場合の還元率96%(控除率4%)から大幅に改善し、99.4%以上(控除率0.6%以下)でギャンブルが出来ることになります。さらに、上級者向きの戦術「カードカウンティング」を行うと、場合によって還元率が102%(控除率:-2%)まで引き上げることができると言われています。(詳しくはカジノゲーム解説のメニュー内、ブラックジャックのルール解説のページを参照。)
🎲 クラップス 🎲
クラップスは、「オッズベット」と呼ばれる賭け方を使うと驚きの還元率100%(控除率0%)でプレイできる事で有名です。オンラインカジノの中では、その破格すぎる内容から、このオッズベットを受け付けていない機種を取り扱っている場合もあります。
膨大な数の“賭け方”があるクラップスですが、このオッズベット以外にも主流と言われている「パスライン」、「カム」、「ドントパス」、「ドントカム」と呼べれる手法を使うと、1.41%や1.36%でギャンブルができるので、悪くないカジノゲームです。(詳しくはカジノゲーム解説のメニュー内、クラップスのルール解説のページを参照。)
◍ スロットの「プログレッシブ機能」は還元率を上げる
還元率・控除率の“ふり幅”が比較的大きいのがスロットとビデオポーカーですが、パチンコ・パチスロ同様、プレイする機種・タイミングによって還元率・控除率にバラつきがあるようになっています。
ゲームプロバイダーによって様々な機能が搭載されたスロットとビデオポーカーが提供されていますが、その中には「プログレッシブジャックポット」と呼ばれる機種が存在し、ベットを繰り返しプレイし続けることでポイントが蓄積され、ジャックポット(大当たり)になる確率が上がっていく機能が付け加えられています。このプログレッシブ機能がある機種の場合、還元率・控除率は常にゲーム中に変化するようにできており、上手く行くとあるポイントから還元率が100%以上(控除率:0%以下)になってきます。
このプログレッシブジャックポットは、一夜で1億円以上稼いだ日本人プレイヤーがいることなどでも有名です。
🔰カジノゲームの還元率・控除率を確かめる方法
オンラインカジノの中では、各ゲームの還元率・控除率を確認できる便利な機能をつけているサイトもあります。ビデオスロットカジノなど幾つかのサイトは、スロットやビデオポーカーなど常に変動する還元率・控除率をリアルタイムで公開してくれているので、どの機種が当たりやすいかなどが一目で分かりとにかく便利。
ビデオスロットカジノの場合は、ホームページの右側に小さく表示されている「ゲームペイアウト」をクリックすると、各ゲームの還元率がリアルタイムで確認できるページに飛ぶことができます。
日本でも人気のベラジョンカジノの場合は、各ゲームを直接開き、画面の隅に表示されている「?(ヘルプ)」から“プレイヤーへのリターン”のセクションで確認することができます。(テーブルゲームの場合はゲームを直接開き、ヘルプ>ゲームルール で確認可能。)
🔰 ギャンブルの還元率と控除率 まとめ
ギャンブルの世界で非常に重要なコンセプトである、還元率と控除率について解説してきました。カジノなどの胴元が利益を上げるために、「どれだけプレイヤー側に負担をかけているのか」ということが、この還元率もしくは控除率一つの数字で一目で確認することができます。
また、この数字はプレイヤーにとって「どれだけ稼ぎやすいゲームなのか」という情報も教えてくれるので、ギャンブル選びに欠かせない情報となってきます。また、戦術が上手く働くと、直接的にこの数字が変わるので、その手段がどれだけ効果的なのかを確認することもできます。つまり、還元率と控除率はギャンブルを攻略するツールの一つなのです。
今後ギャンブルに関わる際には、ぜひこの還元率・控除率に注目してみてください。より深くそのゲームを理解することができ、視野が広がるのではないかと思います。